助成金交付の対象とする膜構造技術について

当財団が推進、振興しようとしている膜構造技術とは、膜構造に用いられる新しい膜材料や、膜材料の新しい機能、性能及び用途に関する技術、膜材料を利用してつくられる建造物・構築物・工作物に関する技術(建築、海洋・土木、航空・宇宙、物流・船舶等)となります。

膜構造技術は、すでに様々な分野で活用されています。例えば、東京ドームに代表される膜構造物は建築技術分野であり、海中で用いられるシルトプロテクターと呼ばれる海洋汚濁防止膜や地盤改良用膜の海洋・土木技術分野、気球・飛行船用膜の気象・航空・宇宙技術分野、膜製のフレキシブルコンテナーと呼ばれる粉粒体・液体運搬容器の物流分野、船舶・自動車技術分野など多岐にわたり、さらにこれら以外の新しい利活用の可能性を秘めていると考えられます。

膜構造物やこれに限らない膜構造のさらなる利用拡大や、より安全で合理的な構造とするためには、膜面の力学特性や解析方法、膜加工法、膜架構法、防火性能、環境性能(温熱、音等)、デザイン、環境負荷等に関する研究等が期待されます。
また、膜材料については、現在の膜材料の性状の把握等とともに、より耐久性のあるもの、また、熱・音・光・風・雪・潮流・波・土等に対して新しいもしくはより高い機能を発揮するものの研究・開発に加え、ライフサイクルを通じた環境負荷の評価の必要性が近年重要視されています。

このような、膜構造技術の普及発展に有意義な諸々の研究を助成金交付の対象と考えております。